PSV-SPA3取り付け手順

PS VITA(PSV)をUSB経由でPCに接続して、画面をキャプチャするためのハードウエアです。
ご購入はこちらのネットショップをご利用ください。

半田付けの難易度、ゲーム機の分解、ケースの加工などかなり難易度が高いです。
WiFi専用モデルが対象です。3G/WiFiモデルには取り付けることが出来ませんので注意してください。
Vita新型モデル(PCH-2000)には対応していません
PCH-2000モデル対応基板の取り付けはこちらを参照してください。

ゲーム機の基板の配線パターンを剥がしてしまうと修復が困難です。自信の無い方は取り付けサービスをご利用ください。

<注意事項>

<PSV-SPA3セットに含まれるもの>

<必要な道具>


<PSVの分解>

ネジは赤丸の位置にあります


カバーの内側にあるネジも忘れずに

ネジを外したら裏ブタを開けますが、背面タッチパネルとバッテリーのケーブルが裏ブタからメイン基板に接続されていますので注意してケーブルを外します。


メイン基板を取り外すには、赤丸印のネジと黄色丸印のフレキを外します。

前面カメラが左側の別基板(水色丸印)の裏側に接続されているため、左側の別基板も外します。


背面カメラの裏側にネジが隠れているので、カメラを持ち上げてネジを外します。
ボリュームスイッチやカートリッジカバーのパネルもはめ込み式ですので、外します。

フレキの取り外しはコネクタの爪を立てて行います。



メイン基板は裏側で表示パネルとフレキで接続されています。
取り外す際には表示パネルのケーブルを傷つけないように注意して、表示パネルのコネクタを外します。


<シールドの蓋の取り外し>

メイン基板を取り外したら、取り付けポイントのあるシールドの蓋を外します。

シールドの蓋は嵌め込み式ですので、先の尖ったキリのようなものを使用して外します。
この時に基板のパターンや実装されている部品を傷つけないように十分注意します。


<取り付けイメージの確認>

非常に難易度の高い作業になりますので、完成形を十分頭に叩き込んでから作業します。

フレキの先端にある端子を、PSV基板の端子の上に被せて、上から軽く半田ごてを当てて半田を融かすことで半田付けします。

写真を見ていただくと判りますが、PSV基板側の半田付けポイントの上下にGNDパターンがあります。
フレキ側の端子がGNDパターンに接触してしまうと失敗ですので非常に難易度が高いです。
また、フレキを強く引っ張ったり、こてを強く当てすぎたりしてPSV基板の配線パターンが剥がれてしまうと修復出来なくなります。
(小手先の温度は400度程度に設定します。温調機能のない半田ごてを使用して、高温になりすぎるとパターン剥離の原因になります。)


<半田ごての確認>

難易度が高いのでいきなり半田付けをすると失敗する可能性があります。
PSV基板上には部品が実装されていないパターンで、仮に剥離させてしまっても動作に影響のなさそうな箇所があります。


そのようなパターンにフラックスを縫って、小手先を当てて半田の融け具合を確認しておきます。
PSVの基板に使用されている半田はROHS対応の半田で、キットに添付してある有鉛半田より温度を高くしないと融けないようです。
私の使用している半田ごての場合は400度前後が作業しやすい温度でした。
温度が低すぎても半田が溶けず、結果的に力を加えすぎてパターンを剥がす原因になります。


<半田付け手順>

事前準備としてフレキ先端の裏面にフラックスを塗り、少量の半田を盛っておきます。


PSV基板の半田付けポイントにもフラックスを塗ります。
フラックスを塗ることで、半田の濡れ性が良くなり、半田ポイントの隣にあるGNDとブリッジしにくくなります。

ルーペや拡大鏡などを使用しながら、フレキの先端をPSV基板の半田ポイントに被せて、小手先を軽く当てます。
もしブリッジしてしまった場合は、慌てずにフレックスを塗って再度小手先を当ててブリッジを解消します。


<半田付けの確認>

半田付けの確認はSpartan3Aの足の部分と、PSVのGND(シールド部分)の間の抵抗値をテスター(アナログ式は不可)で測定します。

測定された抵抗値はテスターや、静電容量などによって微妙に変化しますが、測定した時に6本の信号がほぼ同じ値をとればOKです。
(GNDに接触している場合はゼロオーム、未接続では無限大の値を取ります)
(隣とブリッジしている場合は、2本が他の4本と比べて異なる値を取ります)
現在販売している基板は、写真の集合抵抗(ゲジゲジのような部品)はありませんが、問題ございません。


<フラックス除去とフレキの固定>

高速な信号ですのでフラックスの残留成分や汚れが悪影響を及ぼす可能性があります。
ですので半田付け部分にフラックス除去剤を塗布して拭き取りきれいにしておきます。

PSV基板を組み戻す際にフレキに力がかかり、パターンを剥離してしまわないために、フレキとシールドを瞬間接着剤で固定(赤丸部分)します。


<シールド加工とPSV-SPA3仮止め>

取り外したシールドはそのまま戻すとフレキと噛んでしまうので写真のようにシールドの一部を曲げてフレキを通します。


PSV基板を組み戻す際に邪魔になるので、PSV-SPA3基板も写真の位置にセロテープで仮止めしておきます。


<組み戻し>

フレキの通る部分に筐体の突起が当たるので、筐体の突起部分を切除します。


PSVの分解手順の逆手順を行い、PSVのフレキ、ネジなどを元通りに取り付けます。
フレキが通る部はアルミのジョイント金具は取り付けず、ネジだけにします。


PSV-SPA3基板裏面の両面テープを剥がしてPSVメイン基板に固定します。
初期型のPSVでは赤丸印の部分が背面タッチパネルのGNDと接触する構造になっています。
そのため、今回は斜めにPSV-SPA3を斜めに固定しています。
(最新のPSVは接触する構造では無くなっていますので斜めに取り付ける必要はありません)


<ケース加工>

USBコネクタを配置する部分とPSV-SPA3基板を格納する部分のケースを加工します。

USBコネクタ部分


USBコネクタ裏ブタ部分


PSV-SPA3格納部分(裏ブタ)
(PSV-SPA3基板があたる部分をカットします)


<USBとGND配線>

GND配線


USB配線
(USB配線にはジュンフロン線を使用していますが、半田の乗りが悪く半田不良を起こす可能性があります。
半田不良を防止するために、線の先端(剥いた部分)にフラックスを塗り、予半田(半田をなじませる)してから半田付けします。)

現在販売しているUSBコネクタ基板は配線用の穴が4個になっています。
(上記写真の一番左側の未使用の穴が無くなった状態となります)



<ビューアソフトの起動確認>

ビューアソフトとFPGAのロジックの開発はNON-STANDARDが開発しています。
NON-STANDARDのホームページから最新のビューアソフトウエア(デバイスドライバを含む)をダウンロードしてください。

driverフォルダーにある「install_driver」を実行してデバイスドライバをインストールします。
「型番の選択」では「MODEL 1000(EL panel)」を選択します。
最初にビューアを起動するとプロダクトキーの入力を求められるので、製品に添付のプロダクトキーを入力します。
キャプチャ画像が表示されなかったり、安定しない場合はビューアの「設定 -> キャリブレーション」を調整します。


<トラブル事例と対策>

症状 原因と対策
USB機器として認識されない
(デバイスドライバのインストール要求も無い)
USBコネクタの配線の取り回しを確認してください。
PSV本体の画面が乱れる PSV-SPA3フレキの半田付け箇所を確認してください
ビューア画面が表示されない(no signal) ビューアのキャリブレーションにて調整してください